はるかとほし白酒に風吹いてゐるか 飯島晴子
をとめらや氷の上をともに恋ひ 同
寂しいは寂しいですと春霰 同
先生、この「氷の上」は人名です。ネタは『古事記』ということです。
諸君、そんなことよりも、セッターにさえブロック力を求める超攻撃的な眞鍋ジャパンのハイブリッド6は、安倍総理のいわゆる深化する日米同盟、集団的自衛権行使容認の閣議決定とも、どこかで微妙にシンクロしているようである。
[#地から1字上げ](アメリカへ向けて日本の上空を飛んでいくミサイルを撃ち落さないでいいのか)
先生、要するに、アタックできない世界最小の司令塔、中道のトスではこれからの日本の平和と安全は守れないということですか。
諸君、日本の中道はともかく、全日本の中道の場合は、昨夜のブラジル戦での敗戦を見る限り、ステルス機能を身に付ければ十分ハイブリッド6の要になることは可能である。そもそもこの戦法は、ラリーポイント制であることを最大限に生かした、ほぼノーガードのガチンコなのだから。
[#地から1字上げ](これまでの総理の答弁通り専守防衛は堅持しつつ集団的自衛権の行使は可能です)
先生、そんなことよりも、二年後、三十七歳の佐野に現在のパフォーマンスが可能でしょうか。
諸君、見ているわれわれ同様に佐野本人にとってもいよいよ未知の領域に入って行くのだろう。
[#地から1字上げ](木村の胸ポチとおくのほそ道)
さつきから夕立の端にゐるらしき 飯島晴子
昼顔は誰も来ないでほしくて咲く 同
年迎ふ鈴を惜まず三番叟 同
くさまくらまことの華見しても来よ 芭蕉
暗道《くらみち》のわれの歩みにまつはれる蛍ありわれはいかなる河か 前登志夫
金子 前登志夫さんの歌も好きなんだが、あの人にはあなたほどの韻律の力がないですね。
佐佐木 これは、前さんのアニミズムの歌で代表的な一首です。歩いていると蛍が俺にまつわりついてくる。俺はもしかしたら河なんじゃないだろうか、といった意味ですが、韻律もなかなかいいと思います。
金子 うん、いいですけどね。ちょっと虚勢を張っているという感じがどこかにするんです。虚勢という言葉はきついですけど。あなたの場合はこういう韻律がごく自然です。出来の悪い歌でも韻律を味わうという場合があるんです、あなたの作品には。
[#地から1字上げ](一五二頁)
[#地から1字上げ](語る俳句短歌、藤原書店、2010年)