思慮深さについて

いわゆる卓球の早田ひな選手の知覧発言に関して、あるユーチューブでアンパンマンと特攻隊の意外な関係について教わった。われわれは知らなかったが、そのユーチューバーも知らなかったとして、この二つを合わせて言及した彼女の思慮深さに改めて感心したという内容だった。早田選手の問題の発言については若狭勝ニュース塾でも解説があり、彼女の発言を理解する際の注意は、発言内容の事実とそれを聞いた他人の評価を区別することだとして、彼女の発言自体には、仮に非難する人があったとしても、何ら非難されるべき落ち度はないというものであった。われわれが最初に思ったのは、彼女の発言内容そのものではなく、その発言をしたことによって、引き起こされた結果についてであった。国内外の賛否ということではない。彼女の友人である中国の卓球選手が彼女のSNSからフォローを外したということである。第一に、それはあくまでも相手の問題であって、若狭弁護士の指摘のように、早田選手には何の落ち度もない。ただ、われわれが最初に思ったのは、果たして、早田選手は、あの発言をした時点で、それら中国選手がSNSからフォローを外すということを想定していたのだろうか。第二に、今回の中国選手のその行動は、果たして、本心からのものなのだろうか。例えば、戦前、石原莞爾は、最終戦争論ということで、最後、アメリカと決勝戦を戦うために、ソ連、中国、ヨーロッパが滅ぶまで、それまで日本は生き残らなければならないと説いていた。そこから逆算して、目的論的に、日本は、あらゆる妥協をするべきことを戦略とするべきことを説いていた。石原については、そのようにわれわれは理解しているが、われわれは、アンパンマンと特攻隊の意外な関係についてさえ知らなかったので、おそらくは、早田ひな選手(24)のことはもっと知らないのではないかと考えている。