昔、僕はこの池のほとりの 1本の木だったかもしれない
遠い空へ手を伸ばし続けた やるせない木だったかもしれない
あの雨が降ってくる
僕は思い出す 僕の正体を
昔から降ってくる なつかしく降ってくる
[#地から1字上げ](昔から雨が降ってくる、中島みゆき)
「名辞以前」
あなたが名前で呼ばれる前に
あなたの言葉はどこを歩いていたのだろう
そのときあなたの言葉は誰と話していたものやら
やゆよん、ゆらん、ゆら、ゆよーん
とあある、のあある、とううるもう
ねねるが、ぎぎるが、だりら、らら
ほら、ほら、でもこれは、ぼくの声
どうしてぼくはぼくの声を聞いているのか
対象化された意識。その意識を意識する。それが持続する
カント以前のオブヰェクトゥム。記憶の彼方の中にいこう
*
先生、ファースト女房は器量でもらったらいけませんか。
諸君、Y子って誰だ?ニューヨーク?
[#地から1字上げ](春風亭柳昇、結婚式風景)